城の用語説明

アーリーイングリッシュ(Early English)様式


 モットアンドベイリー(Motte and Bailey)様式の貝型天守(Shell Keep)や、矩形(Rectangular)様式は、ノルマン征服王の時代からヘンリー2世頃までの、150年間に採用された築城様式。ヘンリー3世の時代になると、これらのノルマン様式が時代遅れのように思われてくる。

 

 それまでに多くの城が建設されており、新たに城を造るよりは改築が進むようになる。大きな戦争も無く、徐々に内装も充実して、内壁にはフレスコ画が描かれ窓にはステンドグラスが入ってくる。従来の矩形様式と同様に、周囲の城壁(Wall)から独立して、大型の円柱形(Cylindrical)の天守(Keep)が造られ、ゲイトハウス(Gatehouse)などが追加されて行く。しかし軍事的には進歩したとは思われない。

EarlyEnglish_Conisbrough
EarlyEnglish様式の例 : Conisbrough城

 コニスバラ(Conisbrough)城の天守は一部城壁に接しているが、ペンブローク(Pembroke)城では完全に独立している。

 

   当時フランスでは円柱形で、厚い壁で覆われた天守を持つ城が建設されており、その影響を受けている。天守の螺旋階段は最上階まで続いている。窓はほとんどない。