Walmer 城

　ウォルマー（Walmer)城の1マイル北にディール（Deal)城がある。

　ヘンリー8世は自身の離婚騒動が元で、ローマカソリック教会から離脱し、イングランドにイングランド国教会を設立した。フランスのフランソワ1世、イスパニア国王で、神聖ローマ皇帝のカール5世は共にカソリックの王であり、その強力なカソリック王からイングランドを防御するために、イングランドの海岸線に沿って建設した、ヘンリー8世調（Henrician coastal forts)の城の一つ。

　ドーヴァー海峡の防衛線としてウォルマー城、ディール城、サンダウン（Sandown）城の3城が建設された。

　1539年から40年にかけて建設された。基本的にはディール城の六枚の花弁に似せて造られたが、よりシンプルなデザインで四枚の花弁状となっている。建屋の上に大砲を設置し、中央部分で接続しており、どの場所にも兵士を移動させられ、弾薬を供給できる形態になっていた。

　1708年には軍事的な役目は終わっていた。

五港（Cinque ports）の司令官の居住地として利用された。1852年、時の五港司令官のウェリントン（Wellington）公はここで死去。生前の執務室が保存展示されている。