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Dunstanburgh 城

　北海(North Sea)に突き出た半島の先端に建設された城。現在南側はエンブルトン湾（Embleton Bay)が浸食されており、城壁も一部崩壊している。

　1313年にランカスター伯（Earl of Lancaster)のトマス（Thomas)が当初より石造で建設。

エドワード2世はスコットランドと戦い、1314年にバノックバーン（Bannockburn)の戦闘で敗れて、北方の守りを急務とした。そこで、 1316年に城の建設許可が降りたが、その時までに城は完成していたと推測される。

　ランカスター伯は当時最も裕福な貴族で、豊富な財力に任せて強固な城を建設した。木材はバルト海から、鉄はスペインから輸入しており、その他必要な材料は広く外国から調達しており、築城にいくらかかったか判らないほどの金を費やした。

　トマスはエドワード2世の政策に批判的で、王との関係が悪化した。城はスコットランドとの国境から25マイル離れており、北からの防御と言うのは名目で、自身の身を守るためにもロンドンから遠く離れた城は避難城との役割が大きくなった。結局トマスはバラブリッジ（Boroughbridge)の戦いで王に敗れ1322年に処刑されている。ポンティフラクト(Pontefract)城参照。

　薔薇戦争（The Wars of the Roses)時代、ランカスター（Lancaster)王家の城は、ヨーク王家（York)に与するウォーリック伯（Earl of Warwick)の大砲により破壊され、その後廃墟となった。

　巨大な円柱形のゲイトハウス（Gatehouse)はイングランドでも最大級で、エドワード1世時代の建設様式の、ゲイトハウスが天守（Keep)を兼ねるという特徴を備えている。城の設計にはエリアス（Master Elias）が担当したが、エリアスはウェールズのコンウィー（Conwy）城の建設にも携わった。￡280の収入を得た記録があるが、これは当時の農民の収入の100倍に相当する。

　1380年代にジョン・オブ・ゴーント（John of Gaunt）が外側に門（Barbican)を造り、入口を強化してゲイトハウスを独立した天守に改造した。ゲイトハウスの上からは、10マイル南のワークワース（Warkworth）城も見える。高さは80feetある。

　城壁に囲まれた広大な敷地はスコットランドの襲来に際しては、村民も避難でき、畑もあったと推測される。城壁にある、リルバーン塔（Lilburn Tower）は兵士の詰め所で、方形の塔故に、設計者が異なると推測される。高さは18mある。1538年には廃墟となり、1604年にジェイムズ1世（James I)が売却した。　

Artist Alan Reed Paints Dunstanburgh Castle (YouTube)

Alan Reedさんが本サイトのヘッダーのイラストにもなっている城の水彩画を描いていく。これは必見の12分37秒。

この絵は、http://www.alanreed.com/shop/product/dunstanburgh-castle--summer-evening/ で販売中(Price £1,050)。

Dunstanburgh 城近くの町：

　　南へ約25kmのアンブル(Amble) 情報