Camber 城

　外観からは、 1539年以降、大陸のカソリック王公からの攻撃に備えて海岸線に建設されたヘンリー8世（Henrician)様式の城の一環と見なされがちだが、1512年にフランスの海賊からライ（Rye)の港を守る目的で建設されている。このため、ヘンリー8世の即位(1509年）後ではあるが、ヘンリー８世様式の一連の城の範疇には入らない。

　中央の円柱形の塔は大砲の攻撃をかわす形態として採用され、八角形の城壁で周囲を固め、塔の周囲には小型の大砲を設置する砲台が配置された。砲台と中央の塔とは厚い壁で接続され入口はU字型をしていた。

　ディール（Deal）城やウォルマー（Walmer)城の先駆的な形態の城であった。その後、外壁は更に厚くされ、大砲の砲台は半円形で大型化されて4箇所に設置され、中央の塔も3階建てに拡張された。そのため、従来の小型の砲台は役に立たなくなった。

　しかも、 17世紀になると海岸線が東に進んだことで、城は海岸から離れて海岸防御の目的を果たさなくなった。ジェイムズ１世(James I）は城の改修を命じたが実行には移されず終に廃墟となった。

現在、城の見学はガイドツアーのみなので、以下のサイトで日程の確認が必要。

PRICES AND OPENING TIMES FOR CAMBER CASTLE (English Heritage)

http://www.english-heritage.org.uk/daysout/properties/camber-castle/prices-and-opening-times

Camber 城近くの町：

　　南西に約2kmのウインチェルシー(Winchelsea) 情報

　　南西に約25kmのヘイスティングス(Hastings) 情報