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Deal 城

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 ヘンリー8世の城を総称してヘンリー型の城(Henrician)と呼ぶ。
 多くが左右対称で花弁のような形態の城であり、Deal城もその一つ。
平面図
平面図
 
 
 
 ヘンリー8世は自身の離婚騒動が元で、ローマカソリック教会から離脱し、イングランドに独自の教会を設立した。同時代の王の、フランス王のフランソワ1世、イスパニア国王で、神聖ローマ皇帝のカール5世は共にカソリックの王であり、強大な力を持っていた。
 在位期間はヘンリー8世が、1509年~1547年。フランソワ1世が、1509年~1547年。カール5世が、1519年~1556年であった。 
 
 そのカソリック王からの攻撃を防御するためにイングランドの海岸線に沿って建設した一群の城の一つ。
 ドーヴァー (Dover)海峡の防衛線としてディール (Deal)城、ウォルマー (Walmer)城、サンダウン (Sandown)城の3城をセットで建設した。なお現在、サンダウン城は撤去されている。
 
 時代は、既に大砲の時代になっており、従来の城のように海岸線から敢えて目立つ高さにする必要はなかった。3階建で、54の砲門 (Gunport)は全て地下で接続している。周囲は石造だが、建物の中は煉瓦積み。
 
 実戦として使用されたことはなく、エリザベス (Elizabeth)女王の1588年にスペインのアルマダ (Armada)が接近した時には、すでに使用できるような状態ではなかった。内乱 (Civil-War)の時代には王に与して立てもった。要員配置されたのはナポレオン戦争時だが、戦略上は殆ど役に立たなかった。
 ヘンリー8世は派手好きで新機軸を好んだが、この城に実戦の実績はなかった。
 

Sandwich

 

 

サンドウィッチ (Sandwich) 情報

 ディール (Deal)城から北西に10kmのサンドウィッチ (Sandwich)は、イングランドの海岸線を防御する目的で結成された「五港制度 (Cinque Ports)」の港町の一つ。

 現在では港町としての面影は全くなく、往時には大型船が遡上できた川 (The River Stour)も今では小川程度になっており、船着き場に小型の船が係留されている程度。

現在の Sandwich港


 石造りの塀で囲まれた旧市街町には2箇所の門が現在でも認められ(BarbicanとFishergate)、中世の街並みが残り、立派な教会(St. Clement’s Church、 St.Peter’s Church、 St. Mary’s Church)は往時の繁栄と経済力が強大だったことを示している。

 

 カンタベリー(Canterbury)の町にも近く、カンタベリー大聖堂に詣でた後、ドーヴァー(Dover)に行く途中の、歴史のある小さな落ち着いた町である(カンタベリー → 東に20km → サンドウィッチ → 南に20km → ドーバー)

 

サンドウィッチのTourist Inforation Centre  
大きな地図で見る  GoogleストリートビューでSandwichの町を歩き回ろう。

 
 

五港制度について

 当初は他に、ドーヴァー(Dover)、ハイス(Hythe)、ロムニー(Romney)、ヘイスティングス(Hastings)だったが、その後ライ (Rye)とウィンチェルシー (Winchelsea)の2港が追加され7港となった。

 さらに、その支援港 (Seven Corporate Limbs)として、フェヴァシャム (Feversham)、マーゲイト (Margate)、ラムズゲイト (Ramesgate)、フォークストン (Forkestone)、リド (Lydd)、ディール (Deal)、テンターデン (Tenterden)の7港が追加された。

 最初の5港に追加の2港までは、初期の五港制度に則ったイングランドを防衛する港として、57艘の船に21人の操舵手が年15日間の奉仕をすることが決められていた。

 町の負担も大きかったが、税金を免除させられるなどの特権もあった。

 
  関連サイト
  The Cinque Ports (www.cinqueports.org)
  五港の紋章 (THE HERALDRY OF THE CINQUE PORTS)がお出迎え。
  こちらではCinque Ports についての45分ものDVD「Cinque Ports DVD」を売っている。
  英国内の送料込みで£12.99

 

 Guildhallにかかっている、Cinque Portの標識

サンドウィッチ港の歴史:

 1170年にトマス・ベケットがフランスから帰国した際に上陸し、ここからカンタベリー教会に向かった。

 1342年にはエドワード3世がフランスとの「100年戦争」に向けて、ここからブリタニーに出帆した。

 1380年に城壁が完成した。この間、1217年には大規模なフランスからの海賊攻撃を受け、1287年には台風で港が埋まるなどの甚大な被害も受けたが、その都度強力な経済力で復興した。

 

 下の図は1287年の台風の前の地図。右上の島のすぐ下がSandwich。 Wikimedia Commonsより

Kent Cinque Ports

 

周辺の情報:

 サンドウィッチから西に20kmのカンタベリー (Canterbury)はイギリス国教会の主座がおかれる大聖堂のある町で、一年中観光客の訪問が絶えない。

 また、イギリス最初の文学作品と言えるチョウサー (Chaucer)のカンタベリー物語はこの大聖堂に詣でる参拝者が語った物語形式を取っている。

 

 

ホテル:

 THE BELL HOTELはミシュランガイドで2つ☆のホテル。現在も残る城門 (Barbican)に近く港に面した、歴史もある町一番のホテル。

右端が Barbican。

 

 

 THE BELL HOTEL (公式Webサイト)

 http://www.bellhotelsandwich.co.uk

 「エドワード朝の回転ドアを抜けると、そこには非日常が待っている」とのこと。

 

 

周辺の城:

 ドーヴァー(Dover)城(南へ20km)チラム(Chilham)城(西30km)リム(Lympne)城(南西40km)

 

 

Deal 城 関連URL

 

 

Deal Castle (Fortified Places)

http://www.fortified-places.com/deal.html

 

Deal Castle Accommodation Information (Britain Express)

http://www.britainexpress.com/attractions.htm?attraction=79#tabs-5

 

 

番外編

Walmer Castle to Deal Castle : Walk information (Kent County Council)

Walmer城からDeal城まで徒歩3km

以下のページ内にウォーキング用案内地図(PDFファイル)あり。

http://www.kent.gov.uk/leisure_and_culture/countryside_and_coast/walking/walmer_castle_to_deal_castle.aspx